新しく家を建てる際は、まずどんな家を建てたいかイメージすることが大切です。
和モダンな家や北欧スタイル、ナチュラルスタイルなど様々な種類がありますが、中でも特に人気なのは、シンプルな家づくりです。
そこで今回はシンプルな家の機能と間取りの工夫を解説します。

□シンプルな家が持つメリット

シンプルな家づくりのメリットは大きく3つあります。

＊費用が抑えられる

シンプルなデザインの家は、奇抜な装飾がないため建築費用が抑えられます。
特殊なデザインの家は、加工や資材にコストがかかり、建設完了後も定期的にメンテナンスコストがかかってしまいます。

しかし、シンプルな家の場合は、加工と資材のどちらも比較的費用を抑えやすく、メンテナンスコストもかかりにくいため、建築費用を抑えたいとお考えの方にはシンプルなデザインの家をおすすめします。

＊長く住みやすい

シンプルな家は、流行りや人気なデザインに囚われず、いつになっても古い印象を与えないため長く住みやすいというメリットがあります。
一方で、奇抜で斬新なデザインの場合は、周囲の環境とのバランスや、住む人の好みの変化などに影響されやすく、時代遅れになってしまうと、のちに自分の好みに合わなくなることがあります。
なるべく長く住めるように、家は無難なシンプルデザインを採用すると良いでしょう。

＊不動産の運用がしやすい

シンプルな家は、のちに不動産運用する際に有利に働きます。
シンプルな外観や間取りは、活用の仕方が豊富で、誰でも使いやすいため貸し手が早く見つかりやすいのです。
特殊なデザインの家は、万人受けするわけではないためシンプルなデザインの家よりは貸し手が見つかりにくいでしょう。

□シンプルな家の間取りで意識すること

シンプルな家は、ただシンプルにするだけでは魅力的な家になりづらくなってしまいます。
そこで、ここからはシンプルな家でデザイン性と機能性を兼ね揃えるために大事なポイントを4つご説明します。

1.外観の凹凸を減らす

家の外観は、余計な装飾や壁の凹凸を減らすことでシンプルな印象を与えられます。
また、凹凸を減らした箱型の家は、構造的に強く、建築の手間が省け、コストが抑えられるというメリットもあります。
さらに、屋根の形状を一種類にすることでよりスッキリまとまった印象を与えます。

しかし、凹凸を減らしすぎると立体感のない安っぽい家になる場合があるため注意してください。

2.ライフスタイルに合わせた間取り

シンプルな家づくりでは、住む人のライフスタイルに合わせた外観や内装にすることが大切です。
内装において重要なのは、動線効率と収納確保です。

シンプルな家を作ろうとして、ドアや開口部を極端に減らしてしまうと、動線効率が悪くなってしまいます。
シンプルな間取りと生活動線の効率を考慮して、無駄のなさと移動のしやすさを両立できる間取りづくりが大切です。

また、シンプルな間取りは散らかった物が目立ちやすいという懸念があります。
そのため、人数や物の量、収納したい場所を把握し、十分な収納スペースを確保することが大切です。
中が見えない作りやデッドスペースを利用した収納棚を活用し、収納を増やしつつシンプルな印象を与えるように心がけると良いでしょう。

3.内装の素材を統一する

シンプルな家づくりでは、内装の素材をなるべく統一するのがおすすめです。
素材を統一し種類をなるべく減らすことで、スッキリまとまり、さらにコストを抑えることもできます。
色は統一しつつ素材の種類だけを変えると、シンプルすぎず、しかし統一感のある部屋になります。

さらに、照明・家具・家電にこだわるのも大切です。
照明やエアコンを埋め込み式にすると、よりシンプルで洗練された印象を与えられますが、メンテナンス費用がかかるのが難点です。
各設備の寿命や交換費用、メンテナンスを考慮してライフスタイルや予算に合ったものを選ぶと良いでしょう。

4.屋根・外壁・断熱性・気密性・耐震性・耐火性を妥協しない

シンプルな家にしたいからといって、家の安全性を妥協してはいけません。
特に凹凸の少ないシンプルな家は、屋根や壁が天候の影響を受けやすいため、十分な耐久性のある家にすることが大切です。
目先の費用にとらわれず、長期的なメンテナンスコストや修繕費用を見越して、妥協せずに設計しましょう。

また、外壁の凹凸を減らすと断熱性・気密性が高まります。
その結果冷暖房の効率が上がり、光熱費を抑えられるのです。

□まとめ

今回は、シンプルな家のメリットと、間取りで意識すべきことを解説しました。
シンプルな家は、建設時の費用から住む期間、その後の不動産取引にまで良い影響を及ぼす画期的な家のデザインです。
しかし、先ほど紹介したような、シンプルな家を建てる際に注意すべきポイントもあります。
シンプルなデザインと機能性の両面のバランスが取れた家づくりを意識しましょう。